Project overview

究極のホビーを体験したことはありますか?

Games WorkshopからWarhammer JapanのWebハブ制作に関する依頼をいただいた時、パラダイムのメンバーの多くはまだこの世界を体験したことがありませんでした。しかし前提知識のなさが後に私たちの強みとなり、客観的な観点から素晴らしいアイデアを生み出すことができました。

パラダイムにお声がけいただいた時点で、Games Workshopはすでに日本各地でWarhammerの実店舗を十数店、そしてWarhammerの様々な世界観やゲームを紹介するマイクロサイトもいくつか展開していました。日本での人気が本格的な高まりを見せるなか、同社はWarhammerのWebサイトをローカライズする必要性を感じていました。このWebサイトには、複数存在するマイクロサイトをつなぐ中心的なプラットフォームとして、Warhammerの世界に興味のある人やこれから学ぼうとする人にわかりやすい概要を伝えながら、すでにコミュニティの一員となっているユーザーにも役立つ情報を伝えられるハブとしての機能を果たすことが期待されていました。

こうして、良き旅人の必需品である徹底的なリサーチを味方につけたパラダイムのメンバーによる、41千年紀の暗黒の時代、そして定命の諸領域へと続く旅が幕を開けました。

終わりなき戦いの世界へ

こうして旅を始めて早々にわかったことは、Warhammerは戦略や運を頼りに繰り広げる単なる卓上ゲームではない、ということです。Warhammerとは、コミュニティを築くきっかけであり、リラックスする手段であり、時にはアートにもなるものでした。1983年にイギリスで初めて販売されてからというもの、Warhammmerは常に進化・拡大し、世界中で新たなファンを魅了してきました。現在、Warhammerには大きく2つの主要世界が存在しています。SFファンのためのWarhammer 40,000と、ファンタジーファンのためのWarhammer Age of Sigmarです。 

アニメや漫画、フィギュア、ゲームが絶大な人気を誇る日本は、Warhammerにとって新たなファンを獲得するのに最高の市場です。

私たちはまず、東京周辺のWarhammer店舗を実際に訪れ、初めてのミニチュア作りやゲームを体験しながら、基本的なルールを学びました。色々な世界や製品を深掘りしていく中で、すでに日本で手に入る情報とそうでない情報の全体像が見えてきたことから、Webハブに掲載すべき情報を洗い出していきました。また、日本各地で急速に拡大しつつあるWarhammerコミュニティがあることも知り、コレクション、ミニチュア製作・ペイント、ゲームプレイなどについてYouTubeやXでファンが発信している情報も収集しました。

その独自の世界観が魅力のWarhammerは、他に類似するゲームはあまりないものの、ゲームやホビー領域で競合となりうる日本企業は、ボードゲームやカードゲームのメーカー、モデルやフィギュアのメーカーも含めて徹底的にWebサイトをリサーチしました。

戦略を練る

リサーチを終え、オフィスの各所に先日自分たちでペイントしたミニチュアを配置し、テーブルにもWarhammerの公式サイコロをセットしたら、Games Workshopの日本チームとマーケティング部門との3時間に及ぶワークショップの準備が完了です。

このワークショップは、パラダイムが行ったリサーチ結果と長年にわたるWebサイト構築の経験をもとに、日本や日本市場におけるWebデザインのトレンドやWebハブ構築時に特別に考慮すべきことを紹介する機会です。

また、パラダイムのメンバーからたくさんの質問をさせていただくことで、Warhammerの世界観、店舗内のユーザージャーニー、現在抱えているペインポイント、これからゲームを始めたいと考えるお客様のよくある質問、ベストセラー商品、現在のマーケティング活動、Webハブとして目指すものなど、様々な要素をより深く理解する機会でもありました。

ワークショップで得られたGames Workshopチームからのインプットとリサーチ結果が揃ったら、Webハブの効果的なサイトマップやナビゲーション、ユーザージャーニー、コンテンツフローのデザインに乗り出す準備は万端です。

ワークショップの質問例

任務を遂行する

サイトマップやメインページのコンテンツフローについて合意ができたら、サイトのワイヤーフレーム制作に着手し、Figmaを使ったモバイル版・デスクトップ版のレイアウト制作に取り掛かります。Games Workshopはモバイルサイトでの見え方を重視していたこともあり、完璧なデスクトップサイトの設計はもちろんのこと、ユーザーのスマートフォン上でサイトがどのように表示されるかに最も注力しながらサイトをデザインしていきました。

パラダイムの任務は、サイトのデザインを日本のオーディエンスの期待や嗜好に合わせて可能な限りカスタマイズすることです。Games Workshopはすでに明確なブランドガイドラインをお持ちでしたが、日本向けのガイドラインはまだありませんでした。そこで、タイポグラフィやフォントサイズ、改行、文字のスタイル、装飾用途としての英語の使用、透かしや情報量の多い画像、初めてのユーザーに必要な情報が一目でわかる「初心者マーク」など、日本のWebサイトでよく用いられる要素をパラダイムから提案しました。

パラダイムのもう一つの任務は、Warhammerの世界に馴染みのないお客様でもすぐに全体的な世界観を理解できるような情報を提供することでした。そのため、すでにファンが定着している他の市場のようにイラストやアニメの静止画を多用するのではなく、主要製品であるミニチュアがサイト上でできる限りユーザーの目に留まるよう工夫しました。ホームページにミニチュアの360度アニメーションビューを掲載することも提案し、Games Workshopからいただいた映像を含め、実店舗の内観やこの世界の多彩な側面を楽しむファンの写真や動画を編集し、ホームページのウェルカムスクリーンに使用しました。

「コミュニティ」セクションでは、できる限りローカライズされた画像を使用することで、日本にいるファンが製品を楽しむ様子を垣間見れるようにしました。

勝利への道

開発フェーズでは、Games Workshopの仕様に従ってWarhammer JapanのWebハブを制作しました。サイトの読み込みスピードの高速化、多数の同時アクセスにも対応できる高帯域、適切に動作するプラグイン、ライブ解析機能などを提供するとともに、静的HTMLサイトとして公開することで最高レベルのセキュリティを実現しました。

こうして、スケジュールも予算もしっかりと守りながら、ついにWebハブが完成しました。今後も継続的にページやコンテンツを追加し、日本のけるWarhammer人気の高まりとともにサイトも拡大していく予定です。

Games Workshopのセールス&マーケティング部門のプロジェクトマネージャー、Ed Harmer氏からは「最高のサイトになりました」というお言葉をいただいています。

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