LIXILは、トステム、INAX、サンウエーブなど、日本を代表する複数の建築資材および住宅設備メーカーの合併によって誕生しました。これまでの事業で成功を収めながらも、どこか成長の鈍化を感じていたLIXILは、長期的な成長を続けていくには企業のグローバル化を促進する必要性があるとして、新しく形成された組織体によって複数の海外大手企業の買収に乗り出しました。買収した企業には、配管器具メーカーのAmerican StandardやGroheなどが含まれています。その結果、日本だけで20,000人だったLIXILの従業員は、わずか数年の間に世界62カ国で80,000人にまで拡大することとなります。
LIXILの経営陣は、企業戦略や最新情報を共有し、グループの一員であることに喜びを感じてもらえるよう、本社と世界中に散らばる従業員を繋ぐ内部コミュニケーションシステムの構築が急務であることを実感していました。「カスタムのソリューションを、3ヶ月後には本番稼働させたい。」そう感じたLIXILが頼ってくれたのは、パラダイムでした。
依頼を受けた私たちは、たった90日間で、LIXIL LINK(初版)の計画、デザイン、プロトタイプ制作、プログラミング、納品を完了しました。Reactを使ったWebサイトは、安全で読み込みが速く、ブランドらしさを打ち出したバイリンガル仕様(英語、日本語)です。世界のどこからでもアクセスでき、モバイルでの操作性も抜群。洗練されたデザインが美しいこのWebサイトには、全従業員がユーザー登録するため、全社規模の社員名簿としての役割も果たします。
こうして開発したLIXILのイントラネットは、パラダイムがこれまで制作してきた中でも最大規模のエンタープライズ・プラットフォームとなりました。私たち自身も大満足の仕上がりになったこのサイトには、LIXILからも非常にポジティブな反響が寄せられました。
「パラダイム、最高!ありがとう!」と嬉しいメッセージを送ってくれたのは、LIXILの人事・広報・渉外・Impact戦略担当兼Chief People Officerを務めるJin Montesano氏です。
LIXIL LINKの本番稼働が開始した後は、サイトをさらに改善する第二フェーズに突入します。LIXILから寄せられたコメントやリクエストをもとに、UI/UXやマイクロインタラクション、ビジュアル、コピーライティングなどをさらに充実させ、より洗練されたデザインと使いやすさを追求しました。
さらに、デジタルアセット管理システムのBrand Centralを統合し、ブランドガイドラインやテンプレート、写真、動画など、LIXILのビジュアルアセットを格納。世界中の従業員が常に共通のアセットを使用できるシステムを作ることで、グローバルで一貫したブランド戦略を適用できるようにしました。
LIXIL LINKのローンチ以来、パラダイムはLIXILの専属エージェントとしてライティングや編集、翻訳、デザインを担当しています。
LIXIL LINKはもともと、経営陣が世界中の従業員に向けてメッセージを発信する場として構築されたものでしたが、経営陣はそれと同時に、従業員が積極的に関わりたくなるようなボトムアップのエンゲージメントも求めていました。そこで、プロジェクトの次の段階として、イントラネット内に「LIXIL Life」というソーシャルメディアのような機能を実装することになりました。この機能により、世界中の従業員が日々の活動や功績をテキストや写真で投稿し、さらにそれを見た世界中の従業員がコメントできるようになります。
LIXIL Lifeへの投稿方法を紹介するデモ動画も制作し、従業員が利用しやすい環境を整えました。
Head of Global Corporate Communications, LIXIL