日本でビジネスを始めるのに最悪なタイミングがあるとすれば、それはおそらく1992年でしょう。

不動産バブルが弾け、その壊滅的な影響が日本経済全体にのしかかっていた時です。その年だけで企業の倒産率は66%に達し、その後に続く「失われた10年」が日本社会に暗澹たる影を落としていました。

ヴィッキー・パラダイス・グリーンがパラダイムを立ち上げたのは、そんな暗雲が垂れ込める1992年3月のことでした。主にThe ACCJ Journalの刊行を目的に創設された初期のパラダイムでは、数台の製図台と初代Macに囲まれながら、ヴィッキー率いる当時のチームが文字通り腕を捲って事業に取り組み、振り返ればいつの間にか辛い時代を生き延びてきました。

創設から15年の間に、パラダイムからはThe ACCJ Journal以外にもたくさんの雑誌が刊行され、コーポレート・コミュニケーションや自社の職員名簿のデザインなどにも裾野を広げていきました。次第に多くの企業がオンラインでのプレゼンスを真剣に意識するようになった時も、パラダイムはいち早くWebデザインを主要サービスに取り入れました。

今では、パラダイムは「デジタル」「ブランディング」「戦略」に完全に特化したエージェンシーとなっています。コミュニケーション×デザイン×テクノロジーが交わる場所にフォーカスし、「フォーチュン500」に名を連ねる企業のグローバルクリエイティブキャンペーンの展開や、日本の情熱溢れる起業家たちが幸先の良いスタートを切れるよう支援しています。

創設者のヴィッキーはこう言います。「ドットコムバブルの崩壊、リーマンショック、2011年の東日本大震災、そして最近ではコロナウイルスのパンデミックと、夜空を見上げては『もういい加減にしてよ!』と叫びたくなる日がいくつもありました。たくさんの困難がありましたが、それでも、あの時こうしておけばよかった、と思うことは一つもありません。パラダイムが産声を上げ、よちよち歩きから成長し、やがて成熟したリーダーとしてこの業界に今も立ち続けていること、そしてこれら全てを見届けてきたことは、私の人生最大の誇りです。」

パラダイムは今年で30周年を迎え、超特大のシャンパンを開けてその軌跡を噛み締めながら、日本をリードするデジタルクエリエイティブエージェンシーだと言ってもらえること、それだけをこれからも大切にしていきます。

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